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第138回「伸びた背筋」 藤島 大

  冷えに冷える。寒波襲来の札幌、雪まつりの喧騒をよそに、熱を帯びたラグビーがそこにあった。北海道バーバリアンズの本拠、定山渓、ワールドカップのトンガ代表もキャンプを張る鮮やかな芝は白一色に覆われている。そこからほどないクラブハウスで第5回の「レフリー寺子屋」が開かれた。

  バーバリアンズの主催、北海道のラグビー、レフェリングの発展、進歩を志す催しだ。道内のレフェリー、教員、協会役員らが集まる。遠く北見から6時間も運転してきた若い先生もいた。講師は2018年度の日本協会A1級の河野哲彦レフェリー。ここに本コラム筆者は招かれ、コーチング論、というか、自分の指導経験、取材で得た「そこにあるチームで高みをめざす」方法について話す機会をもらった。

  明治大学の優勝の礎を築いた前監督、北海道立羽幌高校出身、現在は札幌在住の丹羽政彦さんの姿があった。花園常連、札幌山の手高校の佐藤幹夫監督、黒田弘則、藤井栄人両コーチの顔も見える。実際に全国制覇のチームに深く関わったり、道内予選で勝ち切った指導者を前にためらいはなくもなかった。こちらは早稲田大学コーチで大学選手権準優勝まで、都立国立高校を教えて花園に届いていない。そんな人間が語るのはどうかと思ったのだ。でも道内の普通の公立高校の監督さんもおられたので、「明治や札幌山の手のような相手に立ち向かう」テーマで通した。すると「標的」のはずの明治、札幌山の手の心広い人たちが、ちゃんと耳を傾けてくれるので困った。

  河野講師の今回の主題は「レフリーはつらいよ」。自身の失敗談などもまじえて心構えを説く。そこから北海道ラグビーが発展するための「ローカルルール」はないか? という興味深い議論へと進んだ。高校もスクラムを押せるようにする。ペナルティー後のタッチキック禁止。モールの制限。もちろん異なる意見も飛び出す。宿泊しながらの懇親会では先生たちが3対3のスクラムを組み始めて、レフェリング、コーチングの観点から考察が続いた。そのうち夜も更けているのに、山の手の黒田コーチや北海道協会理事長でバーバリアンズ創設者の田尻稲雄さんがキッチンにこもり、ピタリ扉を閉じて、ほとんど異常なまでの情熱で「カレーパスタ」づくりに没頭、妙にうまくて、寝る前なのに、これも困った。

  大型テレビには、先の花園、北北海道代表の旭川龍谷高校の玉島高校戦のトライが流される。敵陣コール前スクラム、右プロップの林涼生の姿勢がなんとも美しい。これなら、どんなに強い雨でも背中にたまる。雪なら落ちずに積もる。泣ける。この瞬間のために君の高校生活はあった。そう画面に声をかけたくなる。そこから右を攻めてインゴールへ。

  その旭川龍谷の小西良平監督から「あの記事で救われました」とうれしい声をかけられた。41歳。帯広柏葉高校から北海道教育大学旭川校出身、自身の競技生活の大半はサッカーだった。なのに教員としてラグビー指導を担う。迷いはあった。悩みもした。そんなとき、このスズキスポーツのコラム第13回(2003年8月)の『いい選手について』を読んだ。サッカー日本代表の明神智和のボールのないところでの献身、読みの深さ、「万が一」への備え、短いパスにも受け手のことを考え抜く態度を書いた。

  「救われました」の意味はこうだった。サッカーの経験をラグビーに援用できる。いい選手のふるまいは同じだ。それでよい。あれから15年、花園予選を突破した。しみじみ本連載のスペースをいただいてよかった。林涼生の伸びた背筋のほんの隅っこに関係しているかもしれないのだから。

■筆者「藤島大」の略歴■スポーツライター。1961年、東京生まれ。都立秋川高校、早稲田大学でラグビー部に所属。曼荼羅クラブでもプレー。ポジションはFB。都立国立高校、早稲田大学でコーチも務めた。スポーツニッポン新聞社を経て、92年に独立。第1回からラグビーのW杯をすべて取材。著書に『ラグビー特別便』(スキージャーナル)、『ラグビーの世紀』(洋泉社)、『知と熱』『熱狂のアルカディア』(文藝春秋)、『スポーツ発熱地図』(ポプラ社)、『ラグビー大魂』(ベースボール・マガジン)、『キャンパスの匂い』(論創社)など。東京新聞(中日新聞)火曜夕刊にコラム連載中。
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